PEEK冠

保険適用開始(2023年12月1日)

大臼歯歯冠修復保険適用

2023年12月1日からCAD/CAM冠用材料に新しい機能区分「CAD/CAM冠用材料(Ⅴ)」が設けられ、ポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEK)製のブロックによる大臼歯の歯冠修復が保険適用可能となりました。

大臼歯全般に対応

大臼歯全般に条件なしで保険適用となります。
CAD/CAMインレーについては保険適用外となりますのでご注意ください。

保険点数

CAD/CAM冠2023年12月時点の保険点数抜粋

保険点数CAD/CAM(Ⅲ)既存大臼歯CAD/CAM(Ⅴ)PEEK
技術点数1,200点1,200点
材料点数350点615点
合計1,550点1,815点

メリット・デメリット

〇 メリット

  1. 高靱製(既存のCAD/CAMよりも粘り強く応力に耐える)
  2. 耐摩耗性
  3. 耐吸水性(吸水性が極めて低く長期間にわたって機械的特性が維持され、材料の劣化変色がほとんどない)
  4. 耐薬品性
  5. 生体親和性
  6. 金属アレルギーなし

△ デメリット

  1. ガムが付きやすい
  2. CAD/CAM(Ⅲ)に比べたら審美性に欠ける(金属クラウンの代用として金属を入れるよりは有望)

支台形成と内面処理

支台歯形成

マージン部はディープシャンファー又はショルダー処理

咬合面:1.0mm以上(1.0mmでは薄い)
マージン部:0.6mm以上

支台歯形成

歯質に対する接着力を向上させるためPEEK冠の内面にサンドブラスト処理の後内面処理

材料メーカー 合着用セメントプライマー処理材
松風ビューティーリンクSA CAD/CAMレジン用アドヒーシブ
サンメディカルスーパーボンドPZプライマー

PEEKとは

PEEKとは「PolyEtherEtherKetone(ポリエーテルエーテルケトン)」という樹脂の略称です。
各単語の頭文字を取り「PEEK」と書いて「ピーク」と一般的に呼ばれています。
機械的強度・耐熱性・耐薬品性をもつ金属の代替材料として自動車、航空宇宙、半導体、メガネフレームなど医療分野以外でも様々な分野で活用されています。